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誤解を生む『北海道』の魔力

私は北海道出身です。
人生の90%を北海道で過ごし、のこりの5%は千葉に、
そして残りを帝釈天でうぐいを使うことに費やしているわけです。
違う。うぶゆ。うぐぅ?

そんな中、『北海道出身』と言うと「ああ、それじゃあ東京の
食べ物はおいしくないでしょ?」という返答を大抵頂くが

それは大きな誤解である。というか今日も言われた。
東京の食べ物は8割方うまい。そして北海道の食べ物は6~7割まずい。
飛び抜けてうまいものだけが、突出して有名なのである。

そこで今日は、ちょっとためになる北海道名産の食べ物について
蘊蓄をたれてみようと思う。ちくちく。

まず、農作物から。

  『じゃがいも』では伝わらない

じゃがいも。北海道はじゃがいもの大生産地だ。寒い地方でも
簡単に作れるからである。
じゃがいもの品種と言えば9割方の人は『男爵』と『メークイン』と
言うほどにメジャーな食べ物だが、
実はこれだけでは分類できない細かな品種があります。

『きたあかり(くりじゃがとも呼ぶ)』
『十勝こがね』
『べにあかり』
『インカのめざめ』なんてのもあります。

最もメジャーなのは『きたあかり』。
中はほくほくの食感で色は黄色みが強く、凝縮した甘みと旨みが
華麗に調和した人気品種です。
「今日はコロッケにきたあかりを使ってみた」なんていう会話が
北海道の家では一般的にあります。
単なる『じゃがいも』ではなく、こうした品種のものを食べて
北海道のじゃがいもを評価して欲しいと思います。
ちなみにスーパーではメークインも売ってますが、メークインは
北海道産でないこともあります。男爵が主流というわけです。
そういう野菜は本州から輸送されています。
純北海道産でないものは、大根やネギなどの大半の野菜で、
ほとんど本州からか、中国産の輸入野菜です。
北海道の野菜は、じゃがいも、アスパラ、タマネギ、とうきび(トウモロコシ)など
何種類かなので、主にそういうものだけが水準以上に美味いと
思って下さい。キャベツなんて群馬産のほうがよほど美味しいです。


  乳製品はあの雪印……

牛乳の味はメーカーで違う。
というと、いや産地で違うんだろ? と思うでしょうが
実際、北海道で『これは○○産の牛乳で……』なんていう広告は
全然、全く、販促になりません。それが別海産だろうが釧路産だろうが
中札内だろうが特に気にする人はいません。
基本的に、どこでどう飲もうが、紙パックのコンビニ売りの牛乳で
東京で売っている最上級の牛乳の味を軽く超えてしまうからです。
唯一意味があるのは、『○○牧場の牛乳』という触れ込みです。
(『まきばの3.6牛乳』とかは普通の大量生産品です)
町村牧場の牛乳、山川牧場、しんかわ牧場など。牧場ブランド牛乳は
市販牛乳の美味さをさらに上回ります。

札幌には特定の牧場はなく、町村牧場の牛乳ならジャスコみたいな
大型スーパーで手に入ります。
しかし、安定して美味しいのはあの悪い意味でも有名な
『雪印牛乳』です。

雪印と言えば細菌汚染騒動ですが、事実、コレもすごい話ではありますが
北海道の人は『えー雪印がそんなひどい衛生管理で……最悪だなー』と
言いながらぐびぐび雪印牛乳飲みつつ、雪印バターをパンに塗り、
姉は雪印乳業のヨーグルトを食べている、という、もはや生活の一部に
なっているという現実です。雪印が潰れたら、北海道経済は
一瞬で破綻するかもしれません。北海道人には、本州の人の雪印嫌いが
拡大することのほうが恐怖でした。

さてさて、本題に戻ります、
どこでも買えて美味しい牛乳というと、『雪印牛乳』と『よつ葉3.6牛乳』
そして『森永牛乳』の三つが挙がります。

簡単にレビューするので、旅行に行った際には参考にして下さい。
『雪印牛乳』・・・バランスが取れた深い味。広く飲まれる。
『よつ葉牛乳』・・・牛乳臭い、牛乳好きな人のための味。濃く重い。
          人によってはお腹を壊すほど。
『森永牛乳』・・・雪印と似ているがより軽い。甘く爽やか。

バター、チーズに関しては東京とあまり変わりません。


  北海道の鮭はウマくない?

北海道の鮭はダントツに有名ですが、実はそれほど美味しいものでも
ありません。
北海道で出回る鮭は『遡上鮭』。これは、簡単に言うと川を遡上し
力尽き、イクラを取られた『脂ののってない』鮭ですが
食卓に出る鮭の大半はコレです。あっさりして美味しいとも言えますが、
普通にカナダ産のキングサーモンが食卓の人気だというのが現状です。
『北海道産の紅鮭、旬です! 一本特価1580円!』
こんなの買うのは絶対にやめて下さい。金の無駄です。

美味い鮭は東京の築地にいけば簡単に食べられますが、
(いや、基本的に全てのうまいものは築地に集まりますが)
北海道で北海道産の美味い鮭を食うとなれば、もうそれしかないというのが
『時知らず』そして『鮭児』でしょう。
細かい説明は省きますが、
『時知らずは安くて一匹6千円。『鮭児』に至っては1匹10万近く
します。

『鮭児』はまず手に入らないので『時知らず』を食べましょう。
こんな美味い鮭があるのかと驚愕することうけあいです。

また、『銀聖』という鮭もいます。これは『鮭児』に比べると
比較的手に入りやすいものですが、美味いだけでなく
こいつの『筋子(イクラ)』は100gで軽く千円以上。
一粒一粒が途方もなくデカいイクラです。見るとかなりびっくりします。


  美味しい『うに』はどこで食える?

『ムラサキウニ』と『バフンウニ』がありますが圧倒的に
『バフンウニ』が美味いです。
そして『バフンウニ』の最上級品は……

どこでも買えません。
輸送に耐えられないし、保存も利きません。
とんでもなく高いお金を出してお金持ちが食べているウニは、
鮮度の落ちたウニです。北海道のスーパーで1000円で売ってるのと
あまり変わりません。ウニは運べないのです。活でも、美味さは
落ちていきます。
本気で美味しいウニを、例えば札幌で食べるなら、
雄冬か増毛、岩内あたりで水揚げされたウニをすぐにヘリに搭載し、
1時間以内に食卓に届けなくてはいけません。
産地のスーパーでも食えないですね。

どうしてもという方へ。
岩場の漁場がある漁港に朝4~5時に赴き、漁師さんに頼むかして
ウニを貰うなどし、その場でスプーン等でくりぬいて食べてください。
少量ならタダです。買うと言っても、1個300円ぐらいじゃないかと。
漁港の昼までしか開いてないような料理屋等もいいかもしれません。
築地に行くとそのウニは5千円に、そして料理屋では1万円になります。
普通アホくさくて食えません。知り合いの漁師さんも苦笑いしてました。

北海道の磯に潜ると、恐ろしいほどの数のこのバフンウニを
肉眼で見られるし何キロでも取れます。
しかし禁漁なので監視員に見つかると警察が来ます。やめましょう。
地元漁師は、網にかかったウニを「ああアミが破れる」と文句を言いながら
じゃばじゃば海に捨てていましたが。もったいないとも思わないのでしょう。
私は子供の頃、スプーン一本持って素潜りし、ウニとアワビを
海中で食べてました。もう時効だよなぁ。


  じゃあ美味しいカニは?

カニは生かしておくと身がスカスカになってまずくなるので、
生ではなく一流の設備で『浜茹で』されたものが最上級です。
水揚げされて1時間以内に茹でられているカニなら文句なしです。
『浜茹で』したものをそのまま熱いまま食べられれば最高の贅沢ですが
ほとんどは冷凍され、道内へ。
スーパーなどで売られます。
美味いカニを食べたければ、素直にスーパーで1980円の毛ガニを
購入して下さい。十分すぎるほど美味いです。
かに道楽、かに将軍などで食べられる物とモノは全く同じです。
値段は3倍以上しますが。

美味しいかにの種類です。

『花咲ガニ』・・・マイナーで安いが、とげとげの甲羅の、なんとなく
         カッコイイかに。コロコロした身も絶品ながら、
         ミソと内子は全てのカニの中で最も美味い。

『ズワイガニ』・・・北海道では『安いカニ』としか思われていない。

『タラバガニ』・・・贈り物用。でかいので食べ応えはあるが、大味ですぐ飽きる。
          でかくて見栄えがいいため妙に高い。

『毛ガニ』・・・小さくてもずっしり重い、500g以上のものが最良とされる。
        ミソも繊細な美味さの身も、全てが上等。
        ただし身が少ないので、一般家庭ではちょっぴりごちそう。


  イカを食べたい!

イカを食べたいというのは良い選択です。小樽、函館など行きやすい場所で
イカ漁は盛んに行われており、『築地送り』にならない魚介類として
最もはずれが少ないのが『イカ』です。
ススキノの普通の居酒屋で食べても、例えば魚民で食べたとしても、
素晴らしいイカ刺しを味わえること間違いなし。


  美味い寿司が安く食べたい

そんなわがままなあなたには、このお店を紹介します。
回転寿司と侮るなかれ。東京の一級江戸前寿司と本気で肩を並べる鮮度です。
どこも待つことがない札幌の店でも、ここでは毎日行列が出来ます。
ホタテとイカは、ここで食べれば余所で食べる必要はありません。
ここより美味しいものはそうそう出てこないので。


  肉、あれこれ

北海道の肉と言えば羊肉(ラム)でしょう。ジンギスカン。
しかしラムの特性を知っていますか?
ラムは、冷凍をするとまっっっったく違う味に変化してしまいます。
冷凍ラム、生のラム、それぞれ区別して売られています。
あまりにも味が違うので、「僕は生ラムのほうがいい」
「いや私は冷凍ラムがいい」という主張が出るほどです。
基本的に生ラムは北海道でしか食べられません。冷凍ラムは日本全国で
食べられますが。
値段も、生ラムのほうが若干高いですが札幌ではほとんど同じです。
よく売られている「ジンギスカン肉味付け」は『冷凍ラム』です。

『生ラム』・・・羊肉独特の匂いが強い。脂も多く、こってり。
『冷凍ラム』・・・羊臭さは弱く、水気の多い感じ。あっさり。
『味付きラム』・・・甘く、柔らかくされた加工肉のようなラム。
          上二種とはまた区別し、これだけ食べる愛好家もいる。

牛肉、豚肉、鶏肉に関しては、どこで食べても一緒です。
本気の焼肉店で食えば水準以上に美味く、スーパーの牛肉は
どこで買おうとも本州以下。
暖かい地方に食肉の名産地が多いことから考えれば当然ですが。
乳牛は寒冷地を好み、肉牛・豚・鳥は暖かい地方のほうが
肉が軟らかく美味しいのです。

ちなみに、北海道の焼肉店では、頼まなくとも『ジンギスカン』が
出てきます。標準です。ジンギスカン店などを探して入る必要は特に
ありません。
さらに言うと、食べ放題焼肉店に行ったとしても、メインはラム肉で
牛や豚、鶏肉は一応『あるだけ』です。


  変わった『スキヤキ』

異様にバリエーション豊富なのが『スキヤキ』。
スキヤキは、北海道では牛肉か豚肉です。豚肉が若干多いらしい。
北海道の家庭に行くと、出されるスキヤキのバリエーションは
以下の状況になることが大半です。

・つゆが非常に多い。
・つゆがとても甘い。濃い。
・ジャガイモが入っていることがある。
・つきこんにゃくが入っている。白滝は入らない。
・シメジ、マイタケ、えのき、シイタケのどれかが入る。
・キャベツが入っている。
・キャベツでなく白菜が入る。
・アスパラガスが入っていることがある。(ホワイトアスパラ)
・はんぺんが入っていることがある。
・ゆでラーメンが入る。
・ラーメンではなくうどんが入る。
・うどんではなく、最後に餅が入る。

こうなったのは、いろんな場所から移民してきた開拓民の
それぞれの風土のすき焼きがごちゃ混ぜになってしまい、妙なモノを
入れるようになったということらしいです。


  北海道という名前が見せる幻影

いかがでしたでしょうか。
北海道って、なんだか不思議なところだと感じるか、
意外に普通だと思うか、それはわかりませんが
『海産物の宝庫』『野菜はなんでもうまい』というわけではなく、
ごく限られた『うまいっ』のために行く場所だということです。

旅行に行く方は、『北海道の魔力』が産む誤解に気をつけて
楽しい旅をしてきて下さい。
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