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あれは今から20年ほど前のこと。

北海道では何故かはわからないが、唐突な玄米食ブームが発生し、
玄米スープなるものが健康に良い、ダイエットに良いという触れ込みで
一般家庭の奥様方を直撃した。
人から人に、家族から家族に伝えられていく玄米スープ。

30代40代の北海道出身者には、記憶にある方もいるだろう。

作り方は、色々あったようだが
基本的には『炒った玄米を鍋で煮たり水に漬け込む』のが基本らしい。
そして、玄米をザルでこしとったのが玄米スープである。

これがもう
悪寒が走るほどに不味かった。


玄米独特の臭いに満ちた半透明のちょっと茶色っぽいスープは、
うっすらとほんのりと、かすかに塩、ダシのような味がある。
(ダシが入っていたのかもしれない)
例えば重湯のようなものを想像するかもしれないが、
重湯の香りというのは基本的に白米粥である。

玄米の臭いというのは、一般的に認識する白米の臭いではない。
なんと言えばいいか・・・

枯れ草?藁の束?

ビタミン・ミネラル・食物繊維に満ちた超健康飲料だそうだが、
正直、飲めたものではなかった。
中途半端な香ばしさが本当に嫌。

これを「健康に良いお茶の一種」みたいな感じで大量に作っては、
どんどん冷蔵庫にストックされていくのである。
麦茶のボトルは玄米汁に更新され、冷蔵庫からジュースや牛乳といった
一般的な飲料は消滅した。

家族は半強制的にその汁を飲まされるわけだが、
涙が出てくるぐらいに不味い。

見れば父親は焼酎で割って飲んでいる。


おいそれ健康に良いのか?

健康食として作られてしまったものにケチを付けても、
「良薬は口に苦い」という冷静に考えると卑怯過ぎる言い訳
逃げる母親。

さらに追い打ちをかける事件が起こる。玄米スープの製法を考えれば
至極当然の事なのだが、このスープを作成するにあたり、
大量の煮た玄米が生成される。

スープだけならまだしも、これが壮絶だった。

その食感は生煮えのコメ。北海道弁で言うと「めっこ」
舌触りの悪い皮に包まれた臭いと食感のひどいコメである。
玄米スープを作るたびに生産されるこの物体。
無論捨てるなんてもったいない! と、様々な料理に転用される。


その日から、家庭に笑顔は消えた。


とにかく作られる料理の殆どに玄米が入る。
どの料理も玄米の臭いがする。
チャーハン作ったよと母親が言ってみれば玄米炒飯。
グラタン作ったよと言えば玄米グラタン。
飲み物は玄米スープ。

よく、ダイエットには玄米が良いと言われるのだが、
それは玄米食で食欲が減退するのもあると、今にして思う。

別に玄米の栄養価を批判したり認めないわけではない。

だが、あの北海道に吹き荒れた玄米ブームは一体何だったのか。

北海道で起こった局地的玄米ブームなど知っている人は恐らく
相当に少ないだろうし、忘れている人も大勢いるだろう。
事実、ネットを見てもあまり情報は多くない。

ただ、ほんの一握りの場所で、昔玄米ブームがあったという記憶が
語られていたりする。まるで、民話やお伽噺のように。

だからこうして書き残す。
あれは夢ではない。

うす茶色い変な味のスープの味は、決して幻などではない。


学校から帰ってコップに麦茶だと思った飲み物を入れて飲んで
即座に吹き出した事は、現実なのだ・・・。

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