上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当ほうじょうです。今日のテーマは「今の自分の周囲の状況を小説風に書いてください」です。普段から趣味などで小説を書いている方、文章を書くのが好きという方。ブログという媒体を自己表現の場に選んでいるので、それなりにいらっしゃるのではないでしょうか今日のお題はちょっと変り種。あ�..
トラックバックテーマ 第1273回「今の自分の周囲の状況を小説風に書いてください」






「白雲愁色」


長く長く続いた雨は、夜明けと共に過ぎ去り
郷愁に誘われた虫たちの声に、夜がざわめいた。
青く澄み渡った空に、染め上げられたような白い雲。
アスファルトの上に点々と、残された水たまりだけが、
ただただ、重苦しい雨音を邂逅するように。

いや、それも美しい空のコントラストを映し込み、はにかんだような
輝きを放っているのだから、許される。
7年ぶりに出会う季節。記憶は薄れ行くとも、変わらない想い。

見つめ直す時間なら、いくらでもある。
ただ、見つめ直す場所を探している。

それは、ここにあるだろうか?

どこかぼんやりとした思いで、そんな光景を眺めている僕の足元には
ほんの一部だけ山吹色を帯びた広葉樹の葉が落ちている。

都市の中からずっと離れた公園では、石切山から吹き降ろすさわやかな風が
吹いていた。
それもどこか侘しさを伴う、胸の詰まるような淡い匂いが鼻腔を突き、
思わず奥歯を噛み締める。

ああ、そうだ。これは9月の風。
北海道に吹く、秋の入口の風だ。

本州に比べあまりにも急ぎすぎる夏に、振り返る時間すら与えられず、
僕は公園を抜けるため、歩みを早めた。

当たり前のことだ。何百年も変わらない。変わりようがないこと。

シラカンバが落葉する頃には雪虫が舞うだろう。
僕はいつものように悩みながら、その時もこの道を歩むだろう。


<終>
スポンサーサイト
  
コメント
コメントする












 管理者にだけ表示を許可する?

     
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。